無料デモ依頼 お見積り・ご相談

まずは体感で効果を
お試しください!

まずは体感で効果をお試しください!

無料デモ依頼 お見積り・ご相談

【2026年版】熱中症対策の義務化に伴い使える補助金は?対象条件まとめ

【2026年版】熱中症対策の義務化に伴い使える補助金は?対象条件まとめ

目次

2025年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、WBGT28℃以上または気温31℃以上の作業場で、継続して1時間以上または1日4時間を超えて行うことが見込まれる作業について、熱中症のおそれがある作業者の報告体制整備や、作業離脱・身体冷却・医療機関への搬送等の手順整備・周知が事業者に義務付けられました。とくに大規模な工場や倉庫では、施設全体を冷却するためのコストが膨大になりやすく、費用負担の軽減が経営上の大きな課題となります。

本記事では、こうした職場での熱中症予防に伴う費用負担の軽減に活用できる補助金・助成金に焦点を当て、2026年時点の主な制度概要と申請時の注意点を整理します。

なお、法改正に伴う義務化の具体的な内容や、企業が負う罰則リスクなどの前提知識については、以下の関連記事にて詳細に解説しています。制度の活用を検討する前に、まずは自社の法的責任について確認しておきたい方は、ぜひ併せてご参照ください。

この記事でわかること
  • 熱中症対策の義務化対応で活用できる、2026年最新の補助金制度の全体像

  • 工場や倉庫など、暑さがこもりやすい事業場で検討されやすい具体的な補助対象

  • 2025年(令和7年度)の制度から変更されたポイントと申請時の注意点

  • 東海エリアで利用できる可能性がある自治体独自制度の探し方

  • 補助金を活用して根本的な暑さ対策を進める考え方

熱中症対策の義務化に伴い利用できる補助金はある?【2026年版】

労働環境の改善や省エネを推進するための公的な補助金制度のなかには、熱中症対策としての設備投資に活用できるものが存在します。ここでは、2026年時点で工場や倉庫の責任者が知っておくべき、支援制度の全体像を解説します。

職場環境改善を目的とした国・自治体の補助金制度の全体像

熱中症対策そのものを名目とした補助金だけでなく、労働災害の防止、業務効率の改善、省エネルギー化などを目的とした多様な支援枠組みが存在します。

工場や倉庫の暑さ対策に活用できる補助金を探す際、多くの担当者は「熱中症 補助金」というキーワードだけで検索しがちです。しかし、国の制度や自治体の支援枠組みは、必ずしも「熱中症対策」という直接的な名称がつけられているわけではありません。設備投資の目的を少し広げて捉えることで、活用できる制度の選択肢は大きく広がります。

工場の熱中症対策に使える補助金は、目的によって制度の探し方が異なります。実務上は、次の3つの切り口で整理すると確認しやすくなります。

工場の熱中症対策で補助金を探す3つの切り口(安全衛生・省エネ・生産性向上)

1. 安全衛生

従業員の命と健康を守り、労働災害を未然に防ぐことを目的とした、主に厚生労働省管轄の助成金・補助金です。
ただし、2026年度のエイジフレンドリー補助金(熱中症対策コース)では、主に身体冷却に資する機器・装備が中心で、WBGT指数計は補助対象外です。休憩所整備についても、対象として明示されているわけではないため、個別確認が必要です。

2. 省エネ・脱炭素

事業活動におけるエネルギー使用量や二酸化炭素排出量の削減を目的とした、主に経済産業省・環境分野の補助金です。
老朽化した大型空調の高効率機種への更新は、この枠組みで検討しやすい代表例です。一方、屋根・外壁の遮熱改修は、すべての省エネ補助金で一律に対象となるわけではなく、制度類型や公募回、対象設備区分ごとの確認が必要です。

3. 生産性向上

作業環境の改善や人材定着、生産性向上につながる設備投資を支援する制度です。
自治体が独自に実施している中小企業向け設備投資補助などがこれに当たり、制度によってはスポットクーラーや換気設備の強化などに活用できる場合があります。

これらの全体像を把握したうえで、自社が抱えている「暑さの課題」がどの枠組みの要件に最も合致するかを検討することが、補助金活用の第一歩となります。

工場・倉庫など暑さがこもりやすい事業場で検討されやすい制度

60歳以上の高年齢労働者が常時就労している工場や倉庫では、要件に合致すれば「エイジフレンドリー補助金」が有力な選択肢の一つになります。

工場や倉庫の現場で、60歳以上の高年齢労働者が常時就労している場合に検討しやすい制度の一つが、厚生労働省の「エイジフレンドリー補助金」です。この制度は、60歳以上の高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境を整備する中小企業事業者に対して、その費用の一部を補助するものです。※[1]

製造業や物流業の現場では、60歳以上の高年齢労働者が就労している事業場もあり、制度要件に合致する場合は、熱中症対策コースの活用を検討できます。高年齢労働者は若年層と比較して、暑さに対する感覚機能や体温調節機能が低下しやすく、熱中症リスクが相対的に高いとされています。

そのため、2026年度のエイジフレンドリー補助金では、60歳以上の高年齢労働者を対象とした「熱中症対策コース」が設けられており、暑熱な環境での作業における身体冷却機器などの導入費用が補助対象とされています。2026年度エイジフレンドリー補助金(熱中症対策コース)の公式例示では、主に以下が対象例として示されています。対象可否は個別仕様で異なるため、申請前にQ&A確認が必要です。※[1][7][8]

エイジフレンドリー補助金(熱中症対策コース)の対象例リスト

  • ①体温を下げる機能のある服や装備
  • ②移動式スポットクーラー(熱排気を屋外等へ逃がせるもの等)
  • ③アイススラリー又は保冷剤を冷やす専用冷凍ストッカー
  • ④通信機能付きの健康管理システム対応ウェアラブル機器等

ここで重要になるのが「暑さ指数(WBGT)」の適切な管理です。熱中症対策の義務化や労働安全衛生規則の文脈では、単に気温を下げるだけでなく、湿度や輻射熱を含めたWBGT値を基準とした労働環境の管理が求められます。WBGT管理自体は熱中症対策の実務上重要ですが、2026年度エイジフレンドリー補助金Q&AではWBGT指数計は補助対象外とされています。機器導入の必要性と、どの制度で費用補助を受けられるかは分けて案内するのが安全です。

WBGTの詳しい基準や測り方については、以下の記事で解説しています。

エイジフレンドリー補助金を利用するには、中小企業であること、60歳以上の労働者を常時1名以上雇用していることなど、いくつかの必須要件があります。制度の要件や補助率、上限額は年度ごとに見直されることがあるため、申請を検討する際は必ず最新の公募要領を確認する必要があります。

遮熱シートの導入効果を事前にシミュレーション。工場に最適なプランを提案します

お問い合わせ・お見積もり 052-220-5518

設備投資(空調・遮熱など)を支援する省エネ関連の補助枠

大規模投資では省エネ系補助金が候補になりますが、対象になりやすいのはまず高効率空調など公募要領・対象設備一覧に載る設備です。屋根・外壁の遮熱改修が対象になるかは、制度類型・公募回・別制度(ZEB/建材系等)ごとの確認が必要です。※[2]

前述のエイジフレンドリー補助金は、スポットクーラーなどの比較的局所的・規模が限定的な対策に向いています。一方で、「数千平方メートルの工場の屋根全体に遮熱対策を施したい」「老朽化した工場全体の大型空調設備を、最新の高効率モデルに一新したい」といった数千万円から数億円規模の抜本的な設備投資には、予算上限額の観点から適さない場合があります。

そこで大規模施設を持つ企業が検討すべきなのが、省エネルギー化を推進する補助金制度です。例えば、経済産業省が実施している「省エネルギー投資促進支援事業」などは、エネルギー消費効率の高い設備への更新を後押しするものです。※[2]

これらの補助金で熱中症対策(空調・遮熱など)の経費を申請する場合の最大のポイントは、「熱中症を防ぐため」という申請理由ではなく、「従来の設備と比較して、どれだけのエネルギー使用量(電力など)とCO2排出量を削減できるか」という客観的な省エネ効果を数値で証明することです。

例えば、工場の屋根や外皮の改修によって空調負荷の低減が見込まれる場合でも、それだけで直ちに補助対象になるとは限りません。実際に対象となるかは、各制度の公募要領や対象設備一覧、建材系・ZEB系などの別制度の要件に照らして確認する必要があります。

こうした大規模な省エネ補助金は、補助される金額が非常に大きい反面、申請にあたって専門的なエネルギー計算や詳細な計画書の作成が求められます。そのため、設備メーカーや省エネコンサルタントなどの専門家と連携し、早めに準備を進めることが実務上重要になります。

2026年(令和8年度)の補助金は2025年からどう変わったか

2026年度の補助金は、2025年度と比べて一律の傾向で整理するのが難しく、制度ごとに確認すべき変更点が異なります。

たとえば、エイジフレンドリー補助金は2026年5月20日~10月31日受付・上限100万円、業務改善助成金は2026年9月1日受付開始・最大600万円です。名古屋市の中小企業省エネルギー設備等導入補助では、令和7年度から補助上限額の引下げと「なごやSDGsグリーンパートナーズ」要件の追加が行われています。

このため、「前年に使えた制度だから今年も同じ条件で使える」とは限らず、対象設備・補助率・上限額・受付時期は、必ず当年度の公式資料で確認する必要があります。 ※[1][7][9][10]

東海エリア(愛知・岐阜・三重)で注目すべき自治体独自の補助制度

国の制度とは別に、各自治体が地域の中小企業を支援するために独自の補助金・助成金制度を設けている場合があります。ここでは、製造業が盛んな東海エリア(愛知・岐阜・三重)において、2026年時点で工場の暑さ対策・設備投資に活用しやすい具体的な制度の傾向と探し方を解説します。

東海3県で活用できる具体的な補助金・支援制度の例

東海エリアでは、自動車産業などの集積を背景に、中小製造業の労働環境改善や脱炭素化(省エネ化)に関する自治体独自の支援制度が設けられている場合があります。2026年時点では、以下のような制度が確認できます。

愛知県(および県内主要市)の傾向

愛知県内では、県主導の制度に加えて、名古屋市などが中小企業向けの省エネ設備導入補助を実施しています。たとえば名古屋市の2026年度制度では、高効率空調設備やLED照明が補助対象として明示されています。県内の他制度についても、対象設備や申請要件は個別に確認する必要があります。※[3][9]

2. 岐阜県の傾向 

岐阜県では、2026年度も「岐阜県中小企業等脱炭素化促進事業費補助金(省エネ設備導入事業)」が案内されています。これは、エネルギーコストの低減を目的として省エネ効果の高い設備を導入する際に補助金が交付されるもので、製造現場の暑さ対策とコスト削減を両立させるために活用しやすい制度です。※[4]

3. 三重県の傾向 

三重県の補助金一覧には、2026年5月1日時点でさまざまな設備投資・企業誘致関連制度が掲載されていますが、熱中症対策を直接の名目とする県独自補助が一覧上で明確に確認できるわけではありません。また、業務改善助成金は都道府県独自制度ではなく、厚生労働省所管の全国制度であり、事業場内最低賃金の引上げと生産性向上に資する設備投資等を支援するものです。熱中症対策用の大型空調設備が当然に対象になるとまでは書かない方が安全です。※[5][10]  

地域特有の制度を活用する際の前提条件

自治体の補助金を活用する際は、所在地の要件と他の補助金との併用可否を、制度ごとに確認する必要があります。
同一経費への二重補助は原則として認められませんが、制度によっては国・県との重複を不可としつつ、市町村補助との併用を認める場合もあります。実際の取扱いは、公募要領やQ&Aで確認することが重要です。※[4][11]

所在地要件の確認

自治体によっては「市内に本社登記があること」を要件とする場合もあれば、「本社は市外でも、市内に実際に稼働している工場や事業所があれば申請可能」とする場合もあります。まずは、自社が募集対象に当てはまるかどうかを要項の冒頭で確認しましょう。

市税等の滞納がないこと

自治体の補助金では、法人市民税や固定資産税などについて未納・滞納がないことを求められるのが一般的です。申請時に、納税証明書の提出が必要になる場合もあります。

国の補助金との併用可否

同じ経費に対する二重補助は、原則として認められません。たとえば、同じスポットクーラーや同じ遮熱工事について、国の補助金と自治体の補助金を重ねて受けることはできないのが一般的です。
一方で、対象となる経費や事業が明確に分かれている場合は、それぞれ別制度で申請できる可能性があります。可否は必ず各制度の要項で確認してください。

導入したい対策の規模や内容によっては、補助額が大きい国の制度を優先するほうがよい場合もあれば、手続きが比較的進めやすい自治体制度を活用したほうがよい場合もあります。実務上は、補助額だけでなく、申請要件、採択の見込み、資金繰りも含めて判断することが大切です。

補助金制度の選び方と検討すべき4つの視点(補助額・申請要件・採択の見込み・資金繰り)

遮熱シートの導入効果を事前にシミュレーション。工場に最適なプランを提案します

お問い合わせ・お見積もり 052-220-5518

工場・倉庫が補助金を申請する際の実務上の注意点

補助金の活用は企業にとって大きなメリットがある反面、厳格なルールに基づいた手続きが求められます。ここでは、工場や倉庫の設備投資において、申請を検討する段階で必ず押さえておくべき実務上の注意点を解説します。

工場・倉庫の補助金申請で注意したい3つのポイント(事前申請・事業規模の条件・対象経費の確認)

原則として事前申請が必要(事後報告は対象外)

補助金制度の最も重要なルールは、「交付決定」の通知を受ける前に、設備の発注や工事の契約をしてはいけないという点です。

初めて補助金を申請する企業が最も陥りやすい失敗が、「設備を導入した後に、かかった費用の領収書を提出して補助金を請求しようとする」ケースです。ほとんどの公的な補助金制度において、こうした「事後申請」は認められません。※[1][6]

正しい手続きのフローは、原則として以下のようになります。

  • 導入したい設備の検討と、業者からの「見積書の取得」
  • 申請書類の作成と、事務局への「事前申請」
  • 事務局による審査
  • 事務局からの「交付決定通知」の受領
  • 交付決定を受けて初めて、業者への「発注・契約・着工」
  • 設備の納品・工事完了と、業者への「支払い」
  • 支払いの証拠(領収書等)を添えて、事務局へ「実績報告」
  • 事務局の確認後、補助金が振り込まれる

このように、補助事業とは「これから行う計画」に対して国や自治体が資金を拠出するものです。「交付決定日より前に発注書にハンコを押してしまった」「交付決定日より前に工事の着手金を振り込んでしまった」といった事実が一つでも発覚した場合、その経費は全て補助対象外となり、全額を自社で負担することになります。

工場内の暑さが限界に達しており、「今すぐ明日にでも工事を始めたい」という切羽詰まった状況下では、補助金の審査・交付決定まで一定の期間を要するため、緊急対応には向かない場合があります。そのため、「補助金を活用して導入する設備」と「全額自費ですぐに導入する設備」を切り分けて計画するなどの柔軟な対応も、実務上は必要になります。

小規模事業者と中堅・大企業で条件が異なる点

企業の資本金や常時雇用する従業員数によって、申請できる補助金のコースや補助率(経費の何割が支給されるか)が異なる点に注意が必要です。

多くの補助金制度は、「資本力の乏しい中小企業を優先的に支援する」という政策的な目的を持っています。そのため、大企業は申請自体ができなかったり、中小企業であってもその規模によって優遇措置に差が設けられていたりします。

例えば、熱中症対策でよく利用される補助金では「中小企業者」を対象としています。この「中小企業者」の定義は、業種(製造業、建設業、卸売業など)ごとに「資本金の額」と「常時使用する従業員の数」によって明確に定められています。 製造業の場合、一般的には「資本金が3億円以下」または「常時使用する従業員数が300人以下」のいずれかを満たしていれば中小企業として扱われますが、補助金制度ごとに独自の定義が設けられているケースもあるため注意が必要です。

また、同じ中小企業でも、小規模事業者向けの要件や優遇区分が設けられている制度があります。適用の有無や内容は制度ごとに異なるため、必ず当年度の募集要項で確認する必要があります。

自社がその制度において「どの企業規模の区分に該当するのか」を正確に把握し、適用される補助率や上限額を正しく計算したうえで、設備投資の資金計画(キャッシュフロー)を立てることが重要です。補助金は後払いであるため、一時的には全額を自社で立て替える必要がある点も忘れてはなりません。

空調設備や遮熱対策など「対象となる経費」の確認

設備本体の購入費だけでなく、それに付随する設置工事費や設計費が補助対象に含まれるか、対象外となる製品要件はないかなど、募集要項の「経費区分」を精読することが重要です。

補助金を申請する際、「熱中症対策になる設備なら、かかった費用のすべてが補助される」と誤解されがちですが、実際には「対象となる経費」と「対象外となる経費」が細かく規定されています。

例えば空調設備の導入でも、設備本体、付属設備、設置工事費のどこまでが対象になるかは制度ごとに異なります。逆に、既存設備の撤去費、建物本体の改修費、汎用的な備品などが対象外となる場合もあるため、申請前に公募要領の対象経費区分を必ず確認する必要があります。 遮熱対策(遮熱シートや遮熱塗料の施工)の場合も、製品そのものの材料費や施工にかかる直接的な人件費は対象となっても、施工のための足場仮設費用がどこまで認められるかなどは、制度によって判断が分かれる部分です。

また、「汎用品」の扱いに厳しい制度もあります。制度によっては、汎用性が高い物品や、対象設備一覧に載っていない製品は補助対象外となることがあります。実際に申請できるかどうかは、製品区分や仕様、制度上の対象設備要件を個別に確認する必要があります。工場用・業務用の専門的な設備であることが求められるケースが多いのです。

これらの詳細な条件は、必ず各補助金の「公募要領」の中にある「対象経費の区分」や「よくある質問(FAQ)」のページに記載されています。不明な点があれば、勝手な解釈で申請を進めず、事務局のコールセンターに具体的な製品名や工事内容を伝えて確認を取ることが、手戻りを防ぐ最短ルートとなります。

補助金を活用した工場・倉庫の具体的な暑さ対策

ここまで解説してきた補助金制度を活用し、実際に工場や倉庫ではどのような熱中症対策が導入されているのでしょうか。ここでは、現場で検討されやすい代表的な設備投資の選択肢と、それぞれのメリット・デメリットを整理します。

自社の建物の構造や、抱えている暑さの課題(局所的なのか、全体的なのか)に合わせて最適な対策を選ぶための参考にしてください。 なお、根本的な環境改善のアプローチ全体については、以下の記事でも詳しく解説しています。

スポットクーラーや体温を下げる機能のある服・装備(局所的な対策)

「エイジフレンドリー補助金」などを活用して検討されやすいのが、スポットクーラーや、体温を下げる機能のある服・装備といった、人に対して直接アプローチする局所的な冷却設備です。

メリット

  • 建物の大がかりな工事が不要で、届いたその日からすぐに使用できる
  • 作業者が移動する場所に合わせて、機器を持ち運んだり着用したりできる
  • 工場全体を冷やす大型空調に比べ、初期導入コストが圧倒的に安い

デメリット・注意点

  • スポットクーラーは排熱を屋外へ逃がさないと、かえって工場全体の室温を上昇させてしまう場合がある
  • 体温を下げる機能のある服・装備のうち、外気を取り込むタイプは、外気が35℃を超える過酷な環境では冷却効果が低下する場合がある
  • あくまで局所的な処置であり、巨大な空間の根本的な暑さ対策にはならない

大型空調設備の導入・更新(全体的な対策)

省エネ関連の補助金を活用して検討されることが多いのが、老朽化した大型空調設備の最新型への更新や、新たな空調ダクトの増設工事です。

メリット

  • 空間全体の温度と湿度をコントロールでき、抜本的な熱中症対策・環境改善になる
  • 最新の省エネ機種に更新することで、長期的な電力消費量とCO2排出量を削減できる

デメリット・注意点

  • 数百〜数千平方メートルの空間を冷やすには、数千万円単位の莫大な初期投資が必要になる
  • 稼働させるための電気代など、毎月のランニングコストが跳ね上がる
  • 屋根から降り注ぐ熱(輻射熱)が強い状態では冷気が打ち消され、床付近まで涼しさが届きにくい

屋根や壁の遮熱対策(建物の根本的な熱対策)

工場が「サウナのように暑くなる」最大の原因である、屋根や外壁からの「輻射熱(ふくしゃねつ)」の侵入を根本から絶つのが、遮熱シートなどの施工です。

メリット

  • 輻射熱の影響を抑え、工場内に熱がこもりにくくなる
  • 空調設備にかかる負荷の軽減や、省エネにつながる可能性がある
  • 一度施工すればその後のランニングコストはかからず、空調設備自体の寿命を延ばす効果も期待できる

デメリット・注意点

  • 建物の規模に応じて、まとまった初期施工費用がかかる(補助金の活用が有効)
  • 既存の屋根の形状や劣化状態によっては、施工方法を工夫しなければならないケースがある

【比較表】工場・倉庫の暑さ対策と特徴のまとめ

対策の種類よく使われる補助金・助成金の例メリットデメリット・注意点大規模施設での適性
スポットクーラー体温を下げる機能のある服・装備エイジフレンドリー補助金自治体の中小企業支援枠手軽に導入でき、初期費用が安い空間全体は冷えず、排熱や外気温の影響を受けやすい局所的・応急処置としては有効
大型空調設備省エネルギー投資促進支援事業脱炭素化促進補助金空間全体の温湿度をコントロールできる初期費用・運用コストが莫大で、輻射熱に弱い有効だが、単独では非効率になる場合がある
屋根・壁の遮熱対策制度ごとに対象可否を確認(省エネ系・建材系・自治体制度など)輻射熱の影響を抑え、空調負荷の軽減が期待できるまとまった初期費用が必要で、屋根の状況に左右される空調と併用することで、根本的な改善策として検討しやすい

大規模施設の場合は、「まず遮熱対策で外部からの熱を遮断し、そのうえで必要最小限の空調やスポットクーラーを併用する」というアプローチをとることで、エネルギー効率の面やコストパフォーマンスの面で、理にかなった熱中症対策が進められる可能性があります。

遮熱シートの導入効果を事前にシミュレーション。工場に最適なプランを提案します

お問い合わせ・お見積もり 052-220-5518

まとめ:補助金情報を正しく把握し、計画的な熱中症対策を

労働環境の改善や熱中症対策への取り組みは、従業員の命を守るだけでなく、企業の生産性維持や人材定着において避けて通れない経営課題となっています。「熱中症対策の義務化」という流れの中で、早急な設備投資が求められていますが、その費用負担を軽減するために国や自治体が用意している補助金制度は、企業の強い味方となります。

ただし、補助金制度は年度によって予算規模や要件が変動し、募集枠が早期に終了することも珍しくありません。また、「事前の申請・交付決定が必須であること」や「自社の規模・課題に合った制度を正確に見極めること」など、実務上のハードルも存在します。

本格的な夏が到来し、現場が危険な暑さにさらされてから動き出すのでは、補助金の活用も設備の導入も間に合いません。2026年最新の公募要領など一次情報を正確に確認しながら、まずは「自社にどのような対策(空調、遮熱、局所冷却など)が必要か」を専門業者に相談し、早めに見積もりを取得するなど、計画的な準備を進めることが成功の鍵となります。

工場・倉庫の熱中症対策・補助金に関するよくある質問

ここでは、補助金を活用して工場や倉庫の暑さ対策を進める際、実務担当者からよく寄せられる疑問とその回答をまとめました。


Q.すでに購入・設置してしまった設備でも、後から補助金を申請できますか?

A.原則として、事後申請は認められません。補助金や助成金は「これから行う計画」に対して交付される制度です。そのため、必ず業者への発注や工事の契約を行う前に事前申請をし、事務局からの「交付決定通知」を受け取ってから着工する必要があります。交付決定前に発注・契約・購入した経費は、原則として補助対象外となるため十分にご注意ください。

Q.探しても「熱中症対策」という名前の補助金が見当たらないのですが?

A.国や自治体の公的支援では、制度名に直接「熱中症対策」と付いていないものも多くあります。実際には、本記事で紹介したエイジフレンドリー補助金(熱中症対策コース)や、省エネ・脱炭素関連の補助制度、自治体の設備投資支援制度などを活用して対策を進めるのが一般的です。
ただし、対象となる設備や経費は制度ごとに異なるため、空調更新・局所冷却・遮熱改修などのどれが対象になるかは、必ず当年度の公募要領で確認してください。

Q.中小企業ではなく「大企業」でも申請できる補助金はありますか?

A.労働環境改善を目的とした補助金(エイジフレンドリー補助金など)の多くは、中小企業を主な対象としています。一方で、省エネ・脱炭素関連の大規模設備投資向け補助制度では、制度によって大企業も対象となる場合があります。対象事業者の範囲は制度ごとに異なるため、最新の公募要領で確認してください。

Q.遮熱シートの施工は、どのような名目で補助金の対象になるのでしょうか?

A.遮熱シートの施工は、制度によっては省エネルギー化や脱炭素化に関する補助制度、または自治体の設備投資支援制度で対象となる場合があります。
ただし、遮熱改修はすべての省エネ補助金で一律に対象となるわけではありません。実際に申請できるかどうかは、制度類型、公募回、対象設備区分、建材系・ZEB系などの要件を確認する必要があります。申請を検討する際は、施工によって空調負荷やエネルギー使用量をどの程度低減できるかを示す資料が求められる場合があります。


(参考資料・出典)
[1] エイジフレンドリー補助金|厚生労働省
[2] 各種支援制度|経済産業省 資源エネルギー庁
[3] 補助金・助成金一覧|あいち産業振興機構
[4] 岐阜県中小企業等脱炭素化促進事業費補助金|岐阜県ホームページ
[5] 現在受付中の補助金一覧|三重県ホームページ
[6] 補助金とは|中小企業庁 ミラサポplus
[7] 令和8年度エイジフレンドリー補助金リーフレット|厚生労働省
[8] 令和8年度エイジフレンドリー補助金Q&A(問57ほか)|厚生労働省
[9] 中小企業省エネルギー設備等導入補助(事業向け情報)|名古屋市ホームページ
[10] 令和8年度業務改善助成金リーフレット|厚生労働省
[11] 岐阜県中小企業等脱炭素化促進事業費補助金(省エネ設備導入事業) Q&A|岐阜県ホームページ
※参照日:2026年6月30日
※各種制度等は法改正によって変更される場合があります。最新の情報は各省庁の公式サイトや専門機関にご確認ください。

遮熱シートの導入効果を事前にシミュレーション。工場に最適なプランを提案します

お問い合わせ・お見積もり 052-220-5518

ページトップへ戻る